フニクラ模型・トレカディス・自然換気など、没後100年の今こそ刺さるサステナの原点を解説。
展示で感じた気づきを、仕事や暮らしの「ムダ削減の思考」に変えて持ち帰ろう。
最近、巷で話題の「ガウディとサグラダ・ファミリア展」や「NAKED meets ガウディ展」。
皆さんはもう行かれましたか?
僕はサステナビリティの勉強をしている関係で、「何かヒントがないかな」と軽い気持ちで足を運びました。
正直に言うと、行くまでは少し誤解していたんです。
ガウディの建築って、ただ「奇抜」で「派手」なアート作品だと思っていませんでしたか?
でも、実際に展示を見て、その考えは180度覆されました。
あれらの曲線や装飾は、実はすべて「恐ろしいほどロジカルな計算」の塊だったんです。
今の僕たちが直面している環境問題や、エネルギー効率の課題。
これらに対する答えを、ガウディは100年以上も前にすでに出していたのかもしれません。
2026年、ガウディは没後100年を迎えます。
今回は、一人の研究者志望の男性としての視点で、彼の「未来の建築哲学」を紐解いてみたいと思います。
ビジネスや日々の暮らしに役立つ「思考のヒント」を持ち帰っていただければ嬉しいです。

独創性とは「原点」に帰ること。ガウディの自然哲学

まず、ガウディの思考の根幹にある言葉を紹介させてください。
「独創性(Originality)とは、起源(Origin)に戻ることである」
この言葉、すごく刺さりませんか?
新しいものを作ろうとすると、つい複雑な技術や見た目の新しさを追い求めてしまいがちです。
でもガウディは違いました。彼は徹底的に「自然」を観察したんです。
「自然」こそが最強の構造体である
なぜ自然なのか。
それは、自然界には「無駄」が一切ないからです。
- 重力に耐える木の幹
- 風を受け流す葉の形
- 身を守る貝殻の螺旋
これらはすべて、生き残るために最適化された「必然的な形」ですよね。
ガウディのデザインが有機的なのは、単に装飾が好きだからではありません。
構造的に「それが最も合理的だから」あの形になっているんです。
現代でいう「バイオミミクリー(生物模倣技術)」を、彼は直感と観察だけで実践していたことになります。
重力を味方につける「フニクラ模型」の凄み

僕が一番衝撃を受けたのが、「フニクラ(逆さ吊り)模型」という実験です。
これ、本当に頭が良いなと感心しました。
- 紐の両端を固定して、重りをぶら下げる。
- すると、重力に従って自然な曲線(カテナリー曲線)ができる。
- その形を「鏡」で反転させて見る。
こうしてできた形は、重力を無理なく支える「理想的なアーチ」になります。
現代のビル建設では、鉄とコンクリートを使って「力づく」で建物を支えることが多いですよね。
でもガウディは、重力という自然の力を味方につけることで、鉄を使わずに石だけで自立する構造を生み出しました。
最小限の材料で、最大限の強度を出す。
これこそ、究極の「省エネ設計」ではないでしょうか。
廃棄物をアートに変える。元祖「サーキュラーエコノミー」

次に注目したいのが、ガウディの「材料」に対する考え方です。
最近よく聞く「サーキュラーエコノミー(循環型経済)」ですが、ガウディはこれを当たり前のようにやっていました。
廃材を再定義した技法「トレカディス」
グエル公園などで見られる、あのカラフルで美しいモザイク装飾。
「トレカディス(破砕タイル)」と呼ばれる技法なんですが、実はあれ、ゴミだったんです。
- 工場で割れてしまったタイル
- 使われなくなった食器
- 瓶の破片
これらを拾い集めて、新たなアートとして蘇らせていたんですね。
単なるリサイクル(再利用)ではありません。
廃材に「芸術」という付加価値をつけて、元の製品よりも価値を高める「アップサイクル」です。
これを100年前にやっていたという事実に、先見性を感じずにはいられません。
地産地消による環境負荷の低減
また、彼は建設地の土や石をそのまま建材として使うことにもこだわりました。
遠くから材料を運べば、輸送コストもかかるし、CO2も排出しますよね。
「その場所にあるものを使う」という姿勢は、現代の「マテリアル・エコロジー」の視点そのものです。
コスト削減と環境配慮を、論理的に両立させていたわけです。
電気を使わない「天然のエアコン」パッシブデザインの極意

僕たち現代人は、暑ければすぐにエアコンのスイッチを入れます。
でも、空調設備がなかった時代、ガウディはいかにして快適な空間を作ったのでしょうか。
ここにも驚くべきエンジニアリングがあります。
カサ・バトリョに見る「呼吸する家」
世界遺産「カサ・バトリョ」には、巧みな自然換気システムが組み込まれています。
窓の下にある木製のスリット(通気口)は、手で簡単に開閉できるようになっていて、外気の取り込み量を微調整できます。
温度差を利用して空気を循環させ、家全体がまるで「呼吸」するように熱を逃がす仕組みです。
電気を使わずに涼しさを保つ。
これは現代の住宅建築でも注目されている「パッシブデザイン」の原点です。
光をコントロールする巧みな仕掛け
光の採り入れ方も計算され尽くしています。
建物の中庭(パティオ)のタイルを見ると、ある工夫に気づきます。
- 上層階:濃い青色のタイル
- 下層階:白に近い薄い水色のタイル
太陽に近い上の方は光が強いので色を濃くし、光が届きにくい下の方は白くして反射させる。
こうすることで、建物全体に均一で柔らかな光を届けているんです。
サグラダ・ファミリアでも、森の木漏れ日のような光の拡散が設計されていますが、これらはすべて照明エネルギーを抑える効果もあります。
美しさと機能性が、完全に一致していますよね。
技術がようやくガウディに追いついた。デジタルとの融合

最後に、なぜ今ガウディなのか、という技術的な話をします。
実は、ガウディの頭の中は複雑すぎて、当時の技術では図面に書き起こすことができなかったそうです。
3DプリンタとAIが解き明かす「ガウディ・コード」
ガウディの建築は、単純な直線や円ではなく、複雑な幾何学(双曲面や放物面など)で構成されています。
これ、かつては職人の勘に頼る部分が大きかったんです。
しかし、現代の3Dスキャン技術や、パラメトリック・デザイン(数値を操作して形状を生成する手法)の登場で状況が変わりました。
「ガウディがやりたかったのはこういうことか!」
と、コンピュータ解析によってようやく彼の設計思想が完全に理解・再現可能になったんです。
未完の傑作が完成する日
サグラダ・ファミリアが「いつまでも完成しない」と言われていたのは、資金難だけでなく、この技術的な難しさもありました。
でも今は違います。
古い石膏模型からデータを復元し、3Dプリンタで試作し、ロボットが石を切り出す。
伝統的な職人技と最新テクノロジーのハイブリッドによって、工期は劇的に短縮されました。
2026年の完成が見えてきたのは、現代の技術がガウディという天才のビジョンに、ようやく追いついた結果なんです。
読者の疑問にお答えします(Q&A)
ここで、僕の友人と話したときに出たような「素朴な疑問」について、Q&A形式でまとめてみます。
Q1:こだわりの材料とか構造って、結局コストが高くなるんじゃないの?
A:実は「トータルコスト」で見ると合理的です。 確かに手間はかかりますが、地元の土や廃材を使うことで材料費や輸送費を抑えています。また、自然光や自然換気を活用することで、住み始めてからの「ランニングコスト(光熱費)」を大幅に下げる設計になっています。長い目で見れば経済的なんです。
Q2:ガウディのデザインって現代のビルにも応用できるの?
A:はい、むしろ今こそ応用されています。 3Dプリンタ技術の進化で、ガウディのような曲面構造も安く作れるようになりました。強度が高く、材料を減らせる彼の構造デザインは、資源不足が叫ばれる今の時代こそ、スタジアムや空港などの大型建築で積極的に取り入れられています。
Q3:なぜ没後100年の「2026年」に完成するの?
A:技術革新と観光収入のおかげです。 昔は寄付金だけで細々と作っていましたが、世界的な人気で観光収入が増え、資金が潤沢になりました。それに加えて、先ほどお話ししたIT技術(3D加工やAI)の導入で、建設スピードが飛躍的に上がったため、メモリアルな年に間に合う目処が立ったのです。
結論:ガウディが僕たちに残した「未来への宿題」

ガウディは「過去の偉人」として語られがちです。
でも僕には、彼が「未来のプロトタイプを作ったエンジニア」のように思えてなりません。
彼は100年も前に、「自然と共生し、長く使い続けられるものづくり」を実践していました。
僕たちが今、必死に取り組んでいるSDGsやサステナビリティ。
その答えの多くが、彼の建築の中に隠されている気がします。
技術が進化して便利になった今だからこそ。
「便利さ」の先にある、自然のロジックに立ち返った「豊かさ」とは何か。
次の休日は、そんな視点で街の建築やデザインを眺めてみてはいかがでしょうか?
きっと、今までとは違う発見があるはずです。
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だからこそ、鑑賞の日は体に沿って邪魔にならないワンショルダーが正解。
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